イラストレーターで保存の使い分け方法をお探しですね。
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Illustratorの保存形式、どれを選べばいい?用途別の正しい設定を解説
Illustratorでデザインを作って、いざ保存しようとしたとき、「あれ、どの形式で保存すればいいんだっけ?」と迷ったことはありませんか?
印刷会社に入稿するデータ、WebサイトやSNSに載せる画像、クライアントに送る確認用のPDF。
実はこれら、それぞれ最適な保存形式や設定が全然違うんです。
もし間違った設定で保存してしまうと、印刷でトラブルが起きて再入稿になったり、Web上で色がくすんでしまったり、ファイルが重すぎてメールが送れなかったり…。
そんな失敗を防ぐために、この記事では用途別の正しい保存方法を分かりやすく解説します。
印刷会社に入稿するとき:「PDF」で安全に
なぜPDF入稿が主流になったの?
昔はIllustrator形式(.ai)のまま入稿するのが普通でしたが、最近は「PDF入稿」が主流になっています。
理由は簡単。
aiファイルは、作った人のパソコンと印刷会社のパソコンで環境が違うと、レイアウトが崩れたり文字化けしたりすることがあるからです。
一方、印刷用に作られたPDF形式なら、どの環境で開いても同じ見た目をキープできるので、トラブルがグッと減ります。
PDF保存の手順と注意点
印刷用PDFを作るには、「別名で保存」からファイル形式を「Adobe PDF」に設定します。
ここで一番大事なのが**「Adobe PDFプリセット」**の選択です。
多くの印刷会社では、**「PDF/X-1a」**か**「PDF/X-4」**という規格を推奨しています。
– **PDF/X-1a**:昔からある安定した形式。
透明効果などを事前に画像化してトラブルを防ぐ
– **PDF/X-4**:比較的新しい形式。
透明効果を保ったまま保存できて、高画質な印刷が可能
どっちを選ぶかは、必ず印刷会社の指定に従ってください。
特に指定がなければ、より安全な「PDF/X-1a」を選んでおけば安心です。
トンボと塗り足しの設定を忘れずに
印刷物は、仕上がりサイズより大きな紙に印刷して、後からカットして仕上げます。
だから、どこで切るかを示す「トンボ(トリムマーク)」と、カットがズレても白い紙が見えないようにする「塗り足し」の設定が必要なんです。
設定画面で「トンボ」にチェックを入れて、「裁ち落とし」は天地左右すべてに**「3mm」**と入力されているか確認しましょう。
この3mm分、背景色や写真を伸ばしておかないと、カットがちょっとズレただけで白いフチが見えてしまいます。
画質を落とさないための圧縮設定
初期設定のままだと、高解像度の画像が勝手に圧縮されて画質が落ちることがあります。
印刷に適した解像度(だいたい300〜350dpi)を保つには、カラー画像やグレースケール画像の圧縮設定で「ダウンサンプル(画像の縮小)」をしない設定にするか、「350ppiを超える画像は350ppiにダウンサンプル」といった高画質を保つ設定にしておきましょう。
保存ボタンを押す前に、これらの設定は必ずチェックする習慣をつけてくださいね。
Web・SNS用の画像を作るとき:「書き出し」を使いこなそう
印刷用とWeb用は何が違う?
WebサイトのバナーやSNS投稿用の画像を作るときは、印刷用とは全く違う考え方が必要です。
印刷は「CMYK」というインクの色で表現しますが、パソコンやスマホの画面は「RGB」という光の三原色で表現します。
だから、印刷用のCMYKモードのままWeb用に書き出すと、色がくすんだり鮮やかさが失われたりしてしまうんです。
Web用の画像を作るときは、ドキュメントのカラーモードを最初から「RGB」にして作業するか、書き出すときにRGBに変換される設定を選びましょう。
「スクリーン用に書き出し」が便利
保存方法は、「別名で保存」ではなく、**「スクリーン用に書き出し」**(または「Web用に保存(従来)」)を使うのがおすすめです。
この機能を使えば、アートボードごとに個別の画像として書き出したり、アイコンなどのパーツごとに書き出したりするのが簡単にできます。
形式の使い分けはこんな感じ:
– **JPG**:写真やグラデーションがメインのデザイン
– **PNG**:ロゴやイラストのように輪郭をはっきりさせたいとき、背景を透過させたいとき
– **SVG**:Webサイト上で拡大縮小しても画質が劣化しないベクターデータが必要なとき
Retinaディスプレイ対応も忘れずに
最近のスマホやパソコンのモニターはすごく高精細なので、普通のサイズ(1倍)で書き出した画像だと、ぼやけて見えることがあります。
これを防ぐには、「スクリーン用に書き出し」の画面で、本来のサイズの**「2倍(@2x)」**の大きさでも同時に書き出す設定をしておきましょう。
サイズ違いの画像をセットで用意しておけば、どのデバイスで見てもくっきり美しい画像が表示されます。
クライアントに確認用データを送るとき:軽くて見やすく
ファイルサイズに気を配ろう
デザインの途中で、クライアントや社内の人に確認してもらうためにデータを送ることってよくありますよね。
このとき、印刷用の高解像度PDFをそのままメールに添付しようとすると、ファイルサイズが数十MB〜数百MBになってしまって、送受信に時間がかかったり、相手のメールサーバーで弾かれてしまったりします。
あくまで「内容の確認」が目的なら、印刷レベルの高画質は必要ありません。
相手がスマホやノートPCの画面でサクッと見られる、軽いPDFを作る配慮が大切です。
「最小ファイルサイズ」プリセットを活用
ファイルサイズを軽くするには、PDF保存時のプリセットで**「最小ファイルサイズ」**を選ぶのが一番簡単です。
このプリセットは、画像を画面表示に十分な程度の解像度(約72dpi)まで落として、色情報もRGBに変換することで、容量を劇的に小さくしてくれます。
ただし、この設定は極端に画質を落とすので、細かい文字が潰れて読めなくなったり、写真のディテールが失われたりすることも。
もし画質が悪すぎて確認に支障が出るなら、「圧縮」の項目を手動で調整して、画像の解像度を「150ppi」程度に設定し直すといいでしょう。
これなら文字の読みやすさを保ちつつ、容量も十分抑えられます。
セキュリティ設定も必要に応じて
まだ公開前の情報を含む場合や、デザイン案が勝手に使われるのを防ぎたい場合は、PDFにパスワードをかけることもできます。
保存時の「セキュリティ」設定で、「文書を開くときにパスワードを要求する」ようにしたり、「印刷」や「内容のコピー」を禁止したりできます。
確認用データは「見やすさ」と「軽さ」、そして必要に応じた「セキュリティ」をセットで考えましょう。
保存ボタンを押す前の最終チェックリスト
どんな用途で保存するにしても、データを書き出す前に、データそのものに不備がないか確認する習慣をつけましょう。
フォントのアウトライン化
よくあるミスの一つが「フォントのアウトライン化」のし忘れです。
PDF入稿の場合はフォントを埋め込む設定にすればアウトライン化は必須じゃないケースも増えていますが、特殊なフォントがうまく埋め込めずに文字化けしたり、Web用に書き出したときにフォントのデザインが変わってしまったりするトラブルは今でも起こります。
修正が不要になった最終段階のデータなら、テキスト情報を図形化するアウトライン処理をしておくのが一番確実です。
画像のリンク切れチェック
Illustratorでは、画像を配置してもデータ内に埋め込まれず、外部ファイルとしてリンクされている状態がデフォルトです。
このままaiデータを他の人に渡すと、画像が表示されずに抜け落ちてしまいます。
入稿用データを作るときは「リンクパネル」を確認して、画像が正しくリンクされているか、あるいは「画像を埋め込み」処理が行われているかチェックしてください。
特にネット印刷などで「画像は埋め込み推奨」とされている場合は、必ず埋め込み処理をしてから保存しましょう。
最終チェックポイント一覧
保存の直前に以下の項目を見直すだけで、再入稿や修正の手間をグッと減らせます。
– **カラーモードは適切?**(印刷ならCMYK、WebならRGB)
– **トンボと裁ち落としはある?**(印刷用PDFの場合、3mmの塗り足しまで絵柄が伸びているか)
– **画像の解像度は足りてる?**(印刷なら原寸で300dpi以上、粗い画像が混ざってないか)
– **不要なオブジェクトはない?**(孤立点や、アートボード外の不要なパーツは削除または非表示に)
– **保存後のPDFを目で確認した?**(Adobe Acrobatなどで開いて、意図通りの見た目か最終確認)
これらのポイントを押さえておけば、自信を持ってデータを送り出せます。
まとめ
Illustratorの保存設定は項目が多くて複雑に見えますが、用途ごとの「型」さえ覚えてしまえば決して難しくありません。
– **印刷入稿**→PDF/X-1aまたはPDF/X-4で、トンボと塗り足し3mm
– **Web・SNS用**→スクリーン用に書き出し、RGBモード、2倍サイズも用意
– **確認用**→最小ファイルサイズで軽く、必要ならセキュリティ設定
ぜひこの記事の設定を活用して、クオリティの高いデータをスムーズに作成してくださいね!
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